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環境心理

iaps23 Timisoara (Romania) 参加記

Travel sketches at iaps23 Timisoara (Romania)
2014年6月23~27日

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ヨーロッパを中心とする環境心理系学会,iapsの大会に参加しました。今回はルーマニア。冷戦時代にはふつうに旅行ができるとは思いもしなかった国。今やEUメンバーですが,シェンゲン協定国ではなく,また通貨もユーロではありません(ルーマニア・レウ,通常は複数だからレイ)。開催場所はルーマニア西部のティミショアラという街のUniversitates de Vest(Vestは西)。1989年のチャウシェスク政権崩壊の端緒となった蜂起はここで始まりました。そのときに人々で埋め尽くされていたはずの広場がここ。

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振り向くと国立劇場。ここのバルコニーから演説が行われたのですね。

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市の中心部は観光地と言ってもよく,治安もじゅうぶん良さそうです。教会もライトアップされています。

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中心の広場から徒歩10分くらいのホテルに泊まりました。会場の大学までも10分くらい。

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改修されて新しくなっており,以前中庭だったと思われるところがアトリウムになっていてそこにエレベーターと階段があります。場所からすると集合住宅だったかもしれません。

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革命記念ミュージアムを訪ねました。革命の際に拠点であった場所らしい。当時の傷痕がそのまま残されています。

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説明ビデオを見る展示室の片隅にはこんな人形が。

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広場近くにはオープンカフェ,レストランも多数ありますが,観光地なので安くはない。それよりもずっと安く,とてもおいしい(おそらく高級な)プレッツェルが食べられます。

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この日はかなり暑く,広場の鳩たちも水浴び。水たまりの水も一生懸命飲んでいました。

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現地のガイドブックによれば,ここは世界初の電気による街灯が設置された場所なのだとか。

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会場となった大学の建物入り口。ヨーロッパのごく一般的な大学の雰囲気です。歴史全体からすれば社会主義国であった時期はごく短い,ということになるのでしょう。

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一般の教室はプロジェクター利用を前提とはしていないよう。

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ガラ・ディナーの前に国立劇場でミニ・オペラコンサート。小ぶりですが,装飾はぜいたくそのもの。

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曲目や出演者の名前が表示されていたので,後で調べたところ本物の国立歌劇場メンバーのようでした。文化の再興はまだまだこれからなのでしょう。

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Invited speakerはRobert Gifford先生でした。環境心理は人々に寄り添う学問なので北米の研究事情にも悩ましい面はあるようです。

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この日の午後はいくつかのグループに分かれてのexcursionでした。Tramに乗って中心部から郊外まで見学。上の写真は遺跡の発掘現場です。ティミショアラはかつてオーストリアが征服して,それまでのものを全部埋めて新しくつくったらしく,非常に浅いところに遺跡があるのだとか。どうりで街がウィーンに似ているわけです。

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Farewell Partyはワイナリーで。見渡す限りのぶどう畑。

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暮れゆく空を眺めながら,ルーマニアワイン飲み放題。

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最後にワイン・ショップもオープン。免税ではありませんが,もちろん空港免税店などより種類も豊富。乗り継ぎのために梱包してスーツケースに納める必要はありますが。

Panasonic GM1, Lumix G12-32mm, M.ZD 9-18mm (2015.8.10)

オーガナイズド・セッション「実験室実験から実空間創造へ」

Organized Session "From Laboratory experiments toward Creating Real Environments"
2013年9月1日

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Panasonic GX1, Lumix G X14-42mm

今年の日本建築学会大会(札幌)で,環境心理生理運営委員会からは「実験室実験から実空間創造へ」というテーマでのオーガナイズドセッションが行われました。実験室実験もやっている研究室としては,ここに投稿しないといけないのでしょうが,2月末は忙しすぎて果たせず。セッション自体は最初の槙先生(実践女子大)の発表を初め,しっかりした議論になったようです。

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最近の建築学会大会は梗概集が電子媒体のみで配布されます。数年前までは一部印刷もしていましたが,委員会資料なども今年から原則印刷不可となったので資料表示用にタブレット端末を購入しました。A4サイズの資料表示が目的なので,画面サイズが大きく解像度の高くて軽量なものを探し,SonyのXperia Tablet Zにしました。1ページ表示できちんと読むことが可能です。図など細かすぎるときはすぐに拡大表示できますし。

まだAndroid端末になれませんが,特に意外だったのは,ローカル(端末内)ファイルのhtmlがchromeで表示できないことでした。しかたがないので別のアプリをインストール。ところがここで表示したhtmlからリンクされているpdfファイルは表示できないのでした。仕方がないので,プログラム一覧はhtmlで見て,pdfはビューアで表示して切り替えることに。将来的には改善されるのでしょうか?それとも私がわかっていないだけ?

iaps22 Glasgow参加記(Day1)

Travel sketches at iaps22 Glasgow (Day1)
2012年6月24日

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Olympus XZ-1

iaps (International Association for People-environment Studies)の2年に1度の大会に参加するためスコットランドのグラスゴーに行きました。グラスゴーへは日本からの直行便はないようなので,どこかで乗り継ぎとなりますが,ヨーロッパ内の乗り継ぎ便は日本のサイトではなかなか予約できず,結局ヨーロッパのBravoflyというサイトでHeathrowからGlasgow便を予約しました。

イギリスは10年ほど前に1年間住んでいたので,なんとなく慣れたつもりだったのですが,10年一昔。ロンドンオリンピックの直前ということもあったかもしれませんが,Heathrowの入国にずいぶん時間がかかる。おまけに新しいターミナルへも地下鉄に乗っての移動。乗り継ぎ便の時間が迫っているのになぜか機械ではチェックインできない?窓口は長蛇の列。とにかく窓口の係員に無理矢理声をかけたらチェックインは45分前に〆切だとか。こういう時は人間しか頼りにならないのでちょうど空いていた窓口に回してもらったところ,delayになっていました。遅れているのにチェックインだけ締め切ってしまうのはソフトの不備ですね。

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途中,相当大きな風力発電所が見えました。

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グラスゴーに着いたら,もういい時間だったのでまずは腹ごしらえ。うーん,イギリス(スコットランド)だ。

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今回の会場はStrathclyde University。宿も大学の寮のようなところにしてみました。22時すぎだったので受付の人がなかなか出てこなくてあせりましたが,無事に鍵を受け取って部屋へ。シンプルな必要最小限といった感じの部屋ですが,とりあえずじゅうぶん。

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一番,日の長い時期ですし緯度も高いので,22時30分頃でも空には明るさが残っていました。







MERA第19回大会

19th annual conference of MERA
2012年5月19日

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Olympus OM-D E-M5, M.ZD12-50mm

人間・環境学会(MERA)の第19回大会が横浜国立大学で開催されました。個々の研究発表もおもしろいのですが,目玉はやはりワークショップ。ふたつのワークショップが並行開催されました。ひとつめは「仮設住宅の質 応急と住まいをめぐる諸問題」,もうひとつは「行動地理学者Reginald Golledge-人間・環境学的視点からの回顧と展望」でした。私は仮設住宅の方に参加。企画は森傑先生(北海道大)です。

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最初は仮設住宅供給に関わられた宿本さん(当時国土交通省)。住宅といえば国土交通省を思い浮かべると思いますが,仮設住宅は厚生労働省の管轄でもあり,縁の下の力持ちということですね。現在の日本の住宅はずいぶん贅沢になっていますので,仮設住宅をどういうレベルにするのかはなかなか難しそうです。

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続いて社会学者の森反彰夫先生(東京経済大)による復興という概念についてのお話。

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そして,仮設のトリセツでおなじみの岩佐明彦先生(新潟大)。人間は常に変化する存在なので仮設住宅といっても収容所ではなく,生活の場として大きな意味があることがよくわかります。

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MERAの今年の功労賞は舟橋國夫先生でした。おめでとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

日本建築学会九州支部研究発表会

Annual meeting of Kyushu branch, Architectural Institute of Japan
2012年3月4日

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Olympus XZ-1

例年通り,日本建築学会九州支部研究発表会が開催され,大井研からも大学院生が発表を行いました。最初の写真はM1の植田君による「玉名市高瀬地区における景観調査の比較-地元住民と来訪者による景観評価-」。キャプション評価法を使ったものですが,伝統的な街並みと商店街などが混在している地区であり,また評価主体による違いにも注目したものです。

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M2の樋渡さんによる「イメージグリッド法による癒しの概念に関する研究」。新しい手法の提案なので,学会発表で多くの人に知ってもらうのは,改良のヒントもいただける良い機会です。

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同じくM2の井上君「子どもと大人による小空間の評価 教室まわり小規模空間を想定して」。グラフィカルなプレゼンテーションが良かったですね。

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最後はM2本多さんの「LED照明を用いた居室空間の好ましい視環境に関する研究」。

M2の3人は当面これが最後の発表でした。4月からはそれぞれ違うところで活躍してくれることでしょう。

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会場は西小倉のリバーウォークに隣接する西日本工業大学でした。エスカレーターで教室に上がっていくというのは不思議な感じです。

環境・遺産デザインコース修士論文発表会

Master Theses Presentations of Environment and Heritage Design Course
2012年2月7日

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Olympus XZ-1

芸術工学専攻 環境・遺産デザインコースの修士論文発表会が九州大学大橋サテライトで開催されました。大井研究室からは3編の論文が発表されました。

まず,イメージグリッド法による癒しの概念に関する研究。評価グリッド法をいろいろな場面に適用しようとしてきた中で感じられた限界から生まれた新たな工夫による手法です。

次にLED 照明を用いた居室空間の好ましい視環境に関する研究。居室空間の照明については行為との関係を含めて研究が進んできました。今年はLEDもRGBタイプだけでなく白色と電球色のデータが追加され,さらに内装に有彩色がある場合の予備的な検討も。

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そして学校教室まわり小空間の評価に関する研究。小学校の設計にもデンやアルコーブなどと呼ばれる小空間が取り入れられるようになりましたが,子どもたちは実際どのように感じているのか?大学生との違いはあるか,また身体の大きさと関係があるのか,などを実大の仮設小空間を作って検証した意欲的なものでした。

森永智年氏学位論文公聴会

Public hearing of Chitoshi Morinaga's doctoral thesis
2012年1月20日

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Olympus XZ-1

大井研究室で研究を進めてきた社会人学生の森永智年さんの博士学位論文公聴会がありました。3年足らずで,よくここまで進めてくれました。

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論文題目は「専門家と非専門家のインテリア認知に関する研究」です。インテリア関連ということで,審査をお願いした冨板先生,田上先生に加え,湯本先生も来てくださいました。公聴会のディスカッションを通して,新たな論文の意味なども見えてきたようです。先生方ありがとうございました。

2012.3.27追記
 もちろん,この後の審査で森永さんは無事に博士号を取得されました。おめでとうございます。

「人間行動と感覚・知覚心理研究」

Human behavior in sensation and perceptual psychology
2011年11月12日

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Olympus XZ-1

第10回となる建築空間における感覚・知覚心理シンポジウムがキャンパスプラザ京都で開催されました。今回のテーマは「人間行動と感覚・知覚心理研究」。行動研究と感覚・知覚心理研究はそれぞれ独立した研究分野ですが,環境を設計・創造していくという観点からするとうまく結びつかなくてはいけません。この日は信号トラブルで山陽新幹線が止まってしまい,ゆっくりできるはずがかなり遅刻して会場に到着しました。このため最初の竹原広実先生の「行動の量的把握 高齢女性の生活行動と身体活動量」は聞き逃し,梅宮典子先生の「行動と環境制御 冷房使用と窓開放」から聞くことができました。実際の観察や調査に基づく冷房使用,窓の開閉行動と外気温その他の関係の実態が明かされました。現実には調整行動が快適な環境にうまくつながっているとは言えそうもありません。知識・意識や習慣も変えていく必要があるかもしれませんね。

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続いて原田正幸先生の「行動と環境計画 子育て女性の公園利用行動と公園計画」に関するご講演。実際の公園におけるインタビューと観察,実測による貴重な研究です。難しそうなのは人の行動はさまざまな社会的要因によってもどんどん変わりそうなのに公園の方はそう簡単に変えられない,というあたりでしょうか。それでももう少し快適な環境をつくるということを意識した計画はいくらでもできそうですね。

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後半は,松原斎樹先生の司会で感覚・知覚心理研究における人間行動の意義についての討論が行われ,一般参加と思われる方からのご質問などもあり,有意義な情報共有ができたように思います。

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終了後は,京都駅ビルにある京都劇場入口脇の京野菜居酒屋に場所を移して,さらに議論を深めることができました。

「調査のデザインの作法と技法~仮説のデザインから分析のデザイン」

Manners and techniques of the design of surveys: the design of hypotheses through analyses
2011年8月26日

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Olympus XZ-1

第11回となる日本建築学会環境心理生理チュートリアル「調査のデザインの作法と技法~仮説のデザインから分析のデザイン」が開催されました。2011年3月にようやく刊行にこぎ着けた「調査のデザイン」の内容から,主要部分の紹介という位置づけでもあります。

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後半は恒例のよろず相談,ディスカッション。会場の参加者が研究や調査でかかえている疑問点や悩みを具体的に質問すると,出席している環境心理生理運営委の総力を挙げて回答するという企画。必ずしも答えが得られるわけではありませんが,最新の研究状況はわかるはずです。

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チュートリアルが終わって外に出たら,ものすごい豪雨でした。建築会館中庭の屋根と建物の間からあふれた水が滝のように落ちてくるのは初めて見ました。

環境・遺産デザインコース修士論文発表会

Master Theses Presentations of Environment and Heritage Design Course
2010年2月4日

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Panasonic GF1, Lumix G20mmF1.7

芸術工学専攻 環境・遺産デザインコースの修士論文発表会が九州大学大橋サテライトで開催されました。大井研究室からは今年は過去最多,5編の論文が発表されることに。

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室内の色彩と空間形状,コンフォートとプレザントネス,街路景観と色彩ガイドライン,印象評価・気分評価の時間変化,色彩と時間感覚とどれも興味深いテーマであり,研究水準としてもいずれもすぐに審査論文にできそうなものでした。

修士論文の審査もテーマに合わせて,建築計画系,都市計画系,さらには数理統計が専門の先生にもお願いして高水準の質疑が行われたと思います。お疲れ様でした。

さて,どうやって審査論文化しましょうか。

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