The final jury for Environmental Design Basic Seminar
2007年2月2日
「環境設計デザイン基礎演習」の最終合評会が行われました。
Left: FinePix F30(-2/3EV), Right: GR Digital (Wide conversion lens)
この科目は九州大学芸術工学部環境設計学科の1年生を対象とする専門科目です。今年度からは同学科1年生が受講する全学教育科目「空間表現実習」と合同の最終合評会として企画しました。課題内容に興味のある方はこちら。グループで制作した有名住宅の1/20模型と資料を基に空間分析を行い,模型をビデオカメラで撮影しながら,CGパースまたは模型写真,図面なども加えてプレゼンテーションし,講評を受けるというものです。
FinePix F30(-2/3EV)
まずは合評会直前の風景。左は合評会のために来ていただいている非常勤講師の花田先生(神戸芸術工科大学)に説明しながら,プールにジェルを流し込んでいるところ。右は合評会用に模型の位置を移動しているところです。これはトゥーゲントハット邸ですが,かなり大きな模型であることがわかるでしょう。
最初のプレゼンテーションは,岡山の家(山本理顕設計)。このエントリー冒頭のものもこれです。
GR Digital (Wide conversion lens)
1/20ともなると,かなりディテールを作り込むことができます。ディテールを作りつつ,全体の雰囲気もしっかり把握しなくてはなりませんが,いいバランスでできています。これは文句のないでき。プレゼンテーションも模型をつくりながら自分たちの感じたことがよく表現できていました。もちろん,もっと生活感が出れば,などという高度な講評もありましたが,それは今後に期待。彼らが素朴に不思議だと感じてくれたところが,なぜこの形で実現したのかを考える上でヒントになるようなことを伝えられていれば良いのですが。
おなじみ落水荘(フランク・ロイド・ライト設計)。
Left: GR Digital (Wide conversion lens), Right: FinePix F30(-2/3EV)
まずは有名な角度から。水をどう表現するかもポイントです。映像を使ったプレゼンテーションはスクリーン2面を使います。左のスクリーンが小型CCDカメラで模型をリアルタイムに映している映像,右があらかじめ撮影した模型写真というように工夫してくれました。
Left: FinePix F30(-2/3EV), Right: GR Digital (Wide conversion lens)
ライティングの基本はビデオライト1灯,太陽ですね。プレゼンの必要に応じて天井や壁は取り外せるように工夫されています。着色したスタイロフォームを積んだ壁や家具にもご注目。
フィンランドのマイレア邸(アルヴァ・アアルト設計)。
Both: GR Digital (Wide conversion lens) (Right +2/3EV)
離れであるサウナ,プールを含む全体を1/20で表現してくれたので,これは一番大きな模型になりました。グループの人数は同じなので,ここまで大きくなると,細部を作り込む時間が足りなくなります。そこは,うまく全体の構成と迫力で見せる模型になっていました。壁と屋根の関係だけは表現したかったですね。
トゥーゲンハット邸(ミース・ファン・デル・ローエ設計)。
Both: GR Digital (Wide conversion lens)
これも大きな模型になりました。それでもミースらしさがよく出ていたのは,壁面や柱の精度が高いからでしょう。インテリアもよく作り込まれていましたし,分析もなかなかのもの。
幻庵(石山修武設計)。図面だけ見ると,なんだこれは?という感じの住宅ですから,みな模型に興味津々。
Both: GR Digital (Wide conversion lens)
これは今回一番小さい模型になりましたが,その分材質から細かな家具まで神経が行き届いていました。ちゃんと暖炉や照明器具にも火が入って,ステンドグラスを通して入る光と合わせて,見せるプレゼンテーションになっています。
最後がZIG HOUSE/ZAG HOUSE(古屋誠章設計)。
Both: GR Digital (Wide conversion lens) Manual White Balance
これもすばらしい模型。シンプルな梁型が並ぶ空間を,精度良くバルサでつくり,仕上げをしています。さらに夜景をイメージして,各柱付近に豆電球が仕込まれて空間の美しさをじゅうぶんにプレゼンテーションしてくれました。
GR Digital (Wide conversion lens) White Balance FL3
最後に花田先生を初めとして,担当した教員(田上先生,井上先生,大井)が総評をして締めくくり。今年は合評会の最後まで熱心に聞き入ってくれたのが印象的でした。このあとすぐに片付け・清掃が行われ,その間にも個別に花田先生をつかまえて,いろいろ質問する姿も見られました。
そうそう忘れてはいけないのはTA諸君の働きです。模型,プレゼンテーションの制作へのアドバイスから合評会の準備まで,本当にご苦労さまでした。
※制作者氏名をブログに公開してほしいグループがあれば連絡ください。(グループ全員の合意によること)
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