公開講座「福岡の建築とライトアップ」 第3回 その1
Extention Course "Architecture and Illumination in Fukuoka" Day3 Part1
2008年11月12日
2008年度公開講座の第3回は,田上先生と私の講義を半分ずつ行いました。まずは田上先生担当の前半の模様を紹介します。私のメモから項目だけですが,講義に参加すれば豊富なスライド,田上先生の思い入れたっぷりの名調子が聞けます。
「コモンでつくる住まい」 田上健一
コモン(共同の,共有の)
コモンの実例紹介
高須ニュータウン(北九州市戸畑)
宮脇檀設計
ブロックの中にコモン(Parking兼),ここで住民同士が出会う
青葉台ボンエルフ(北九州市)
ボンエルフは人と車の共存を目指した道,速さを15km/h以下に抑えるためハンプやカーブを持つ
グリーンテラス城山・桃花台(愛知県小牧市)
宮脇檀設計
内部周回路がボンエルフ 幅6m+1.5mの植栽帯(低木) 植栽帯もコモン
5~6戸にひとつコモンスペース(Parking)
住宅建物の間はFoot path(人のみ通行)
銘板あり
グリーンテラス城山
みんなが作った街
みんなで育てる街 (宮脇檀)
住宅地に関するまとめ
住宅(地)に完成はなく,常に創り続けられるもの
誇りや魅力のある空間を持ち続けるためにはコモンが必要
コモンのレベルが住宅地の評価を決めると言っても良い
共有は怖くない,怖いのは魅力のない空間を皆で共有し自由を失い合うこと
福岡近郊でコモンの見られるその他の住宅地
宗方コモン(宗像市)
南風台ハーモニーフォレスト(前原市)
コモンライフ新宮浜(新宮町)
フランネル壱岐(福岡市西区)
シーサイド百道中2街区(福岡市早良区)
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タウンハウス
タウンハウスの実例紹介
水戸六番池住宅(1976年,藤本昌也設計)
1970~1980 小規模低層で地方性・人間性を大切にする流れ
3階建てで魅力的な共有スペースを持つ
ハイツ飯倉(三浦紀之設計)
接地性がコンセプト,コモンを持つ
建築的しかけとして中庭,象徴的樹木。中庭入口は狭く囲われた感じ,
ブリッジ・トンネル状通路も。内部プランは普通+光庭をもつ
スカイタウン寺塚(公団)
アクセス空間は共有
レイクタウン屋形原(竹中工務店)
鶴田三区の池に面した敷地
ハイツ干隈(三浦紀之設計)
傾斜地に迷路的な配置(住居表示が大変?)
コモンシティ星田(1992年,坂本一成研究室)
大阪府交野市
タウンハウスと戸建ての折衷
タウンハウス今昔
北米がルーツで1970年代に隆盛(神戸市の住宅供給公社など)
特徴は接地性,界壁共有,ヒューマンスケール,共用屋外空間
低層高密で3階建て程度
土地所有,住宅管理方式・コモンスペースを持つ
歩車空間,街並形成に特徴
日本では都市の高層か郊外の戸建てに二極化し定着せず
※大井のメモ:不動産概念による?住民組織や合意形成に問題?
高層マンションでも設備更新や共有・共用の理解の問題があるのだが
※大井のメモ:好まれる空間になっていたか?視線やプライバシー観,窓の外の距離や人通りへの配慮は?住宅の主流であるという宣伝がされたかどうか←開発者にメリットがあったか?
田上先生による本日のまとめ
新たなるまちづくりのステップのために
成熟社会の主体は住み手
住宅地のデザインとはマネジメント
住み手と住み手をつなぐものがコモン
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