新聞コラム「1レベル下の企業」って何だ
Collumn of Newspaper: What is "companies a level below" ?
2008/02/24
新聞の研修・採用コンサルタントによる就職活動に関するコラムに「1レベル下の企業」って何だ,というのがあり,おもしろそうなので本文まで読んだ。著者は木島洋嗣氏。
最初は大学の授業の話から始まり,途中でリタイアする学生がとても多かったそうだ。リポートやプレゼンなど,課題を出すたびに教室から学生が消える?最後は「本音は面倒なのだと思う」とあるから苦言なのだろう。それで済ませてしまうと成立しないと思うのだが・・・と思うのが専任と非常勤の違いか。
さて,後半が「レベルのダウングレード」について。就職活動でも「1レベル下の企業を目指す」という言い方を耳にするとして,「そもそも企業にレベルってあるのか」と続く。「結局,楽をしたいということじゃないのか」と。
大学で講師もされているなら,もう少し緻密に考えてほしいような気もするのだが。
授業の単位取得と就職活動は根本的に異なっている。授業は受講者全員が優秀な成績を収めれば,当然全員が単位を取得できる。しかし通常の就職採用においてはそんなことはあり得ないだろう。すなわち求職者間での競争になるのだから,企業そのものではなく,「求職者の人気レベル」「求職者間の競争率レベル」が自然に発生するはずなので求職者の立場に立てば「1レベル下の企業を目指す」という表現は,どこも間違っていないと思う。
現在の社会では職業選択の自由や居住地の自由など,さまざまな自由が前提になっているが,これらはもちろん結果としての自由を意味するわけではなく,国家権力によってこれらを決められることはないと言っているにすぎない。
本当に自由が感じられる社会を目指すなら,人々の意向を調査して将来を予測し,それに見合った職業構成を実現するような政策が必要になるだろう。もっともおそらく人々の意向に合わせた職業構成では社会が成り立たないと予想する。
ここは,各自の希望ではなく,最低限受けたいサービスの優先順位を訊くべきだろう。たとえば,教育サービス,医療サービス,警察・消防サービスや移動手段のサービスなどについて,どんなものがイメージされているのかを調べ,現状との乖離や実現可能性を示し,不可能なら人々のイメージの方を変えていく必要があると思うのだがどうだろう。
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