1/20建築模型による空間体験 環境設計デザイン基礎演習
Spacial experience with 1/20 scale models of architectures: Basic environmental design seminar
2008/02/03
毎年恒例の大きな模型を中心とするプレゼンテーションを行う,名物演習?である。
最終プレゼンテーションは,模型に加え,2画面の映像を併用する。自分たちで起こしたCAD図面,コンピューターグラフィックスで制作したパース,その他のプレゼン資料をまとめたパワーポイントを表示する画像と模型内部を超小型CCDカメラで写した映像を2台のプロジェクターで投影しながらプレゼンテーションを行う。この演習は空間表現実習と環境設計デザイン基礎演習を合わせて行っているものだ。
対象となる建築作品は原則として近現代の住宅。今年は6グループが,それぞれ作りたいものを選んだ結果が以下。今年はなかなかの力作揃い。
縁側の家(手塚貴晴・由比)
Ricoh GR Digital 2 + Wide conversion lens (以下,同じ)
建物としては非常に単純な形。平面形は細長く,中庭に向いた,ちょっと幅の広い縁側のようなところだけで住空間を構成したもの。ほぼ全面開放可能な引き戸や細かな家具のディテールにまで気を配って制作してくれた。
空間という意味では,屋根(天井)をきちんとつけた状態でのプレゼンテーションがもっと見たかったかも。
夏の家(アスプルンド)
スウェーデンの夏の家。伝統的な農家にも着想を得たという家。日本で考える夏の別荘とはずいぶん様子が違うのは緯度と気候の違いによる。フィヨルドの眺めもCGで再現され,なかなかの力作。模型写真も秀逸。
ギラルディ邸(バラガン)
うって変わって強い日差しの下で生きるバラガンの住宅。黄色い光に包まれた廊下から青いプールへと続くシーンは大変印象的。廊下をCCDカメラで進む映像が絶対おすすめ。写真1枚目の左側がCCDカメラの映像(カメラが傾いているが),2枚目の写真は模型。
エシェリック邸(カーン)
芸工大キャンパス(現大橋キャンパス)に惹かれて入学したという学生が選んだ作品。それも,いいなと思った後で香山先生の師匠,ルイス・カーンの作品だと気がついたというのだから,なかなか鋭い。非常にシンプルな構成ながら,豊かさを感じさせるのが空間構成の妙。
焼き杉ハウス(藤森照信)
藤森さんお気に入りという焼き杉を,実際に焼いて外壁に貼り付けた模型。模型でもセルフビルトの楽しさを味わえたそう。この家のメインである洞窟の他はふつうの部屋がただ並んでいるという雰囲気が模型だとよくわかる。
クンストハウス(フンデルトヴァッサー)
これは住宅ではないが,このグループはどうしてもこれが作りたかったのだそう。床も外壁もタイルを1枚ずつ貼った力作(貼り終わらなかったのはご愛敬)。空間という意味では玄関部分を抜けた中庭が見たかったような気もするが,1/20だと大きすぎるかも。1/50くらいのものも作って両方見せれば良かったのに。次の写真は2004年7月に撮影したもの。あの外壁が半分緑で見えないくらいのイメージはフンデルトヴァッサーのコンセプトとなかなか合うと思ったのだが。
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