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環境心理調査手法ワークショップとチュートリアル

Workshop and Tutorial on methodology for Environmental Psychology studies
2006年10月12~13日

私の企画した環境心理調査手法に関するワークショップとチュートリアルが無事に終了しましたのでご報告しましょう。ワークショップは,九州大学・芸術工学研究院の21世紀COEプログラムのイベントとして,チュートリアルは日本建築学会・環境心理小委員会の有志によるものです。

21世紀COEプログラム 第10回知覚心理部門ワークショップ「環境心理調査手法」

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最初の講演は,宗方淳先生(東京大)。タイトルは「環境心理調査における提示法-イメージ・写真からVRまで」。提示法についての考え方,ポイント,様々なメディアの基礎,研究事例まで,幅広くわかりやすくお話いただきました。現実環境の複雑な視覚的な要素を映像でどのように提示するか,ということについては意外に専門家が少ないのです。私が建築研究所に在籍していたころには,共同で研究していましたが,拠点が別れたことを活かして,それぞれのテーマで展開していければよいと考えています。現在メインの研究は立体視を含むVR関連のようですから,こちらは素朴な平面映像と尺度の関連などを地道に進めたいところです。

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続いての講演は,秋田剛先生(東京電機大)。タイトルは「環境心理調査における実験計画に関する留意点」。環境心理だけでなく,環境心理生理まで含めての実験事例を紹介しながら,その時々にどのようなプロセスで目的設定,方法選択を行い,結論につなげていくのかが惜しみなく紹介されました。聴覚情報処理と視覚情報処理の関係を事象関連電位(脳波のとらえ方の一種)から明らかにしたり,反応時間からそのメカニズムを新たな視点でさぐったり,とさまざまなことに応用できそうな手法が目白押し。

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休憩をはさんで,川井敬二先生(熊本大)の講演「環境心理調査における調査計画に関する留意点」。川井先生が所属する熊本大学矢野研究室で継続的に行われている,騒音に関する社会調査を題材に,論文ではなかなかわからないような詳細にいたるノウハウをご紹介いただきました。アンケートの設問に限らず,実施方法全体や,自由記述の分析に至るまで,さまざまな工夫が凝らされているのです。将来的にさらにこれらのデータを社会全体で有効に活用するためのデータアーカイブの提案も展開されています。

引き続き行われたディスカッションは,司会が不要なほど次々に質問やコメントが出ました。参加者の半数くらいは学生でしたが,単に難しい話というのでなく,独自の着眼点やそれぞれの専門分野の知見を基に発せられる質問やコメントは大いに刺激になったのではないでしょうか。

COEプログラムの拠点副リーダー(知覚心理部門)の中島祥好先生(知覚心理学)も出席されており,今後も実験室で得られたデータと,実環境での人間の心理反応についての議論・研究が深まることが期待されます。
 

第5回 環境心理生理チュートリアル「環境心理調査手法の施設設計への応用」

翌13日には,5回目となる環境心理生理チュートリアルが行われました。建築系の環境心理分野はそれほど歴史が長いわけでもなく,研究者・教育者の数も限られています。そんな中で広がりを見せている環境心理生理研究,とくに大学院生などに研究のノウハウをしっかり伝えようということで始まったチュートリアル。これまでは,日本建築学会の大会の前後に開催地近辺で行われてきましたが,今年は初めての単独での地方開催です。

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最初に,高橋浩伸氏(九州大学COE研究員)により,主旨説明が行われました。日頃から熱心に学生諸君にチュートリアルへの参加を勧めてくれていて,今回の福岡開催も彼の熱意によるところが大きいと言えます。

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前半は講演がふたつ。まずは小島隆矢先生(建築研究所)による「公共施設におけるニーズ把握調査および顧客満足度調査」です。国土交通省が官庁施設で実際に取り組み始めているニーズ調査。満足度調査は従来から行われていたようですが,その問題点を詳細に洗い出し,改良したのが小島氏。豊富なノウハウに加え,わかりやすく魅力的な小島流表現を駆使してのマニュアル作成,講習などに飛び回っておられます。

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ふたつめの講演は,建築環境心理系におけるきちんとした定性調査手法確立の元祖とも言える讃井純一郎先生(関東学院大)。「よりよい環境を創り出すためのインタビュー調査」と題して,環境デザイン支援調査をコンセプト策定支援型とスペック策定支援型に区分することの重要性,真のニーズと見かけのニーズをいかに見分けるか,評価グリッド法の核心はなにかという点にいたるまで,ていねいに解説いただきました。

休憩のあとは,まさに豪華チュートリアル。参加してくれた学生諸君は,一人ずつ自己紹介,自分の研究テーマなどについて語ったあと,ずばり現在の研究上の悩みや手法の使い方などについて自由に質問する機会を与えられました。最後は若干予定時刻をオーバーしましたが,昨日のワークショップの講師も含む講師陣による本音の回答・コメントが重層的に寄せられ,こんな機会は二度とないのでは?という感じでした。

ご参加いただいた先生方,また学生諸君もどうもありがとうございました。次回は,もう少し時間的な余裕を持って準備したいと思います。チュートリアルについては,開催希望のある場所での実施も検討する予定ですので,希望があればぜひ大井までお知らせください。

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